分散技術の歴史は古く、石器時代にはすでに検討されている技術だと考えられます。 それは、旧石器時代および新石器時代の洞窟壁画には、着色材料を分散したと思われるインクを用いて描写されていることから推察できます。 当時の着色材料は、黄土や酸化鉄などの天然顔料が用いられていたとされていて、 それらを樹脂、水等へ分散させて、壁画描写用インクを得ていたと考えられます。 分散技術は歴史のある技術であり、現代においても絶えず進化しています。 特に近年、塗料、インク等に代表される着色材料を分散することだけではなく、 電池素材や導電素材等の機能性材料を分散する事も多くなりました。 さらに、分散によって微粒子を得たりと、他の技術を支える技術としての分散が着目されています。 このような状況から、分散技術を用いている最終製品を列挙すると膨大な数であり、 それほど多くの市場を支えている重要な技術であると言えます。 さらに、弊社が国内外の分散市場を調査した結果、日本の分散技術は世界トップであると感じています。 分散技術は大きく3つの要素で構成されており、3つの要素の総合力が分散技術の高さを表すと考えています。 1.材料・組成 2.作り方 3.機器 1.材料・組成とは、どのような材料を選び、他の材料とのバランスを取るのか。という事です。 いわゆる分散処方を確立する技術力事だと考えています。 2.作り方とは、どのようなプロセスで実施するのか。という事です。 材料の投入方法や順序、品質チェック方法や終点管理方法などを確立する技術力事だと考えています。 3.機器とは、どの機械で作製するのか。という事です。 最適な分散方式、分散スケール、メディア径などを確立する技術力事だと考えています。 弊社調査の中で分散メーカー毎に、上記3つの要素に若干ながらも得意な分野に差があると感じています。 総合力としての分散技術に差がないにしても、例えば1.材料・組成に強みがあり、3.機器の弱みを補填している分散メーカー。 または、2.作り方と3.機器の強みにより、1.材料・組成の弱みをカバーしている分散メーカー等、様々です。 各社独自に分散技術を高めているため、傾向は同じでも2つとして同じ状況ではありません。 弊社では、シナジストと呼ばれる分散材料を提供しています。 1.材料・組成に改善余地や課題認識があるお客様の一助となれればと考えています。 また、弊社ではシナジスト開発製造と評価を通じて、最も最適な分散体を考察するヒントを独自に得たと考えています。 そのため、2.作り方と3.機器に関しても、分散に関与するお客様のご支援も可能であり、 お客様の製品品質向上と分散技術向上に貢献させていただければと思います。 以上。 |
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